富士登山では、テント泊する人以外は山小屋に寝泊りします。泊まるとはいえ、決して快適な一晩を過ごそうとは期待しないほうがいいです。なんて言うと、お金を払って泊まるのにどういうわけなんだ?と思うでしょう(ちなみに、一泊二食で7000円~1万円くらいです)。でも、7~8月の2ヶ月にわたる登山シーズン中の山小屋というのは、まさにイモの子を洗うような真夏のプール状態、いえ、それよりもひどいかもしれません。
山小屋は本来、避難所的な性格を持つ場所なので、基本的には“来るもの拒まず”で、来た人すべてを受け入れます。だって、何千メートルも登ってきたのに、寝る所がないなんてことになると、命に関わりますから。そのため混雑時には、本来の収容人数の何倍もの登山客が押し込まれるわけです。ただ、富士山だけでなくほかの山でも言えることですが、連休やお盆時期などは予約をしないと泊まれないこともあります。前もって確認しておきましょう。
いずれにしても初めての人は、民宿や旅館をイメージして行くとショックを受けますのでご注意を。これまでの私の経験では、たたみ一畳のスペースに3人、というのがザラでした。男女区別のない雑魚寝で、頭の向きを互い違いにして寝るので、どこの誰かわからない人の足を鼻先に突きつけられながら寝るわけです。でも何がツライかと言えば、四方八方から襲ってくるイビキの嵐です。こうなると、気になって眠れません。だから山小屋では、先に寝たもの勝ちということをお忘れなく(笑)。
もうひとつ、気になるのはトイレでしょう。以前は、溜まっていた“し尿”をシーズン後に放流するという垂れ流しが大きな問題でしたが、最近はバイオ式のものなど、環境に配慮したトイレが整備され、登山客にとっても非常に快適になりました。ただ設備が整ったといっても、登山客自身がマナーを守ることがとても大切です。使用したトイレットペーパーをトイレ内に投入していいところと、専用のゴミ箱に入れるところなど、場所によっていくつかのタイプがあるので、使い方のルールを守りましょう。また山では水を確保するのが難しく、街中のように1日に何度も掃除をするというのが困難ですから、一人ひとりがきれいに使うことも大切なのです。
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