富士登山では、多くの場合、出発したその日のうちに8合目まで登り着き、山小屋で夕食と仮眠をとった後、真夜中から富士山山頂を目指して、再び登り始めます。これは、ご来光(朝日)を見るのが目的。はるか彼方からオレンジ色に輝きながら姿を見せる太陽の神々しさに、思わず歓声を上げてしまいますよ。雨が降った後、雲海から顔をのぞかせるご来光もまた、雲上にいる人間だけが眺められる素晴らしい光景です。
もうひとつ、こぼれ落ちるような満点の星空も、街中に住んでいる私たちにとっては、目をみはるほどの美しさです。明かりといえば、山小屋の明かりだけ。
何ものにも邪魔されない、無数の星のまたたきは、夜空の魅力をあますところなく見せ付けてくれます。私も初めて山に登った時、こぼれ落ちてくるような星の数に、「二千数百メートル登っただけで、天に近づくことができた」なんて嬉しくなったものです。そして流れ星を見つけた時の感動!空気が澄んでいるからでしょうか、じっと夜空を見るからでしょうか、眺めているといくつもの流れ星も見つけることができるんです。私の経験では、早い時間よりも3時頃といった明け方近くのほうがたくさん流れ星を見つけることができましたよ。
もちろん、これらは天候などの条件によって大きく左右されます。晴れているのが一番でしょうが、私たちは自然に逆らうことはできません。そして、晴れの時、曇りの時、雨の時、富士山の表情はその時々で違っているから、また魅力があるのだと思います。富士山の気まぐれも大いに楽しみたいものです。
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